ツールドおきなわ 140km 2位
シーズン最後にして最も重要と位置づけしたレース。
去年は練習が思ったようにできず、ひたすら辛い展開で最後は水が切れて足が攣って41位という散々な結果に終わった。
もっと練習しておけば良かった、と何度もレース中に考えた。
そしてレースが終わってからオフはじっくりと基礎からやり直し、筋トレやフィッテイングも継続的にやってきた。距離が短いJBCFレースは極力抑えてその分練習に費やしてきた。
ただ、最後の最後で調整に失敗し、体重は59kg台でベストより1kg増で今年の沖縄を向かえた。さらに直近のレースや練習で疲労が溜まったり練習計画がずれてしまった。
それまで順調に練習してきたものが最後の3週間で大きく崩れてしまい、かなり不安なレース入りになってしまった。
ちなみにレース前日のPMCはこんな感じ。
ATL87,CTL99,TSB43
この時点の数字だけみれば悪くない。けどこれまでの数字の推移がかなりまずかった。
それでも最後はマッサージに通い、疲労抜きの調整だけは万全に。あとはレースが始まって体が動いてみないと分からない。レース前日まではカーボローディングとウォーターローディングをして準備は終わり。
レース当日。
気温は最高気温が20℃前半くらいで曇り。かなり涼しく適温。
去年は晴れて暑かったので、暑熱順化をしてきたけど不要だったかな。
ゼッケンは50番以内で特に並ばずに済むので適当に坂をつかって30分ほどアップ。
補給はゼリー2個とジェルを4つ、あとは塩分タブレットとスポーツようかん1個を持っていく。結局ゼリーとジェルが1つずつ余ったけど。
チャンピオンクラスのカテゴリが迫ってきたアナウンスを聞いてとりあえず整列しに行く。
チャンピオンクラスと210のメイン集団の通過を待つことになったので、整列してからも結構待つことに。
待機中にまさひふさんに写真を撮ってもらう。
優勝候補のハンさんとのツーショットだが、若干のまれてる感があるのは気のせいだろう...
1時間以上待って、やっとレーススタート。
スタートしてすぐに1回目の普久川ダムの登りに。
去年はペースが速く、いきなりきつかったので警戒したけど今年は入りがゆっくりだ。
特に苦しくもなくぼちぼちのペースで進行。あれ、これKOM狙える位置だな。でも周りも取りたいと思われる先週達がうずうずしてる。と、ハンさんがアタック。
これがかなり強く、とても抜けそうにない加速だったので結局KOMは見送り。
それからのアップダウン区間は10番手以内をキープして進む。
下りはまさひふさんのラインを参考に。これが一番省エネそうな感じがした。
そしていつの間にか奥のスプリントポイント。
まさひふさんのアシストもありハンさんが飛田さんと競りつつもとったみたい。
2つ連続でKOMとスプリントとってる。半端じゃない。
そのまま奥の登りへ。ここで知らない選手が1人抜け出す。抜け出すといってもアタックってほどでもなくするする抜けていく感じなのでまあ大丈夫かな。
と思ったら前から100kmのオーバー40の人たちがずるずる落ちてくる。混走状態でどこにいったか全く分からなくなり、まさひふさんを筆頭に追い始める。
下りも踏んで海岸線出る前に捕まえられた。海岸線は100kmのカテゴリで大落車があったようでかなりカオス。
先ほどの追走の勢いのままローテに入り、ここでふと気が付く。
さっきからRoppongi Expressの選手のアシストしてるまさひふさんのさらにアシストしてるじゃねぇか。
失敗した...まぁ前目で展開してリスク回避できたってことにしておこう。
そして2回目の普久川ダムの登り。
多摩ポタの応援メンバーが登り口にいてくれたのでボトルを一本預けて登り始める。
この登りも順調、かと思いきや登り始めてすぐにアクシデント発生。
前からゼッケンシールが落ちてきてフロントタイヤに張り付いた。
ホイールが回るたびにブレーキシューに盛大に擦ってカシュカシュいってる。
そのまま走れなくはないがこのまま登り切って下りに入る訳にはいかないので、一旦左わきに停車してシールを剥がす。
クリートをはめてリスタート。
すると集団はかなり離れて集団と俺の間にCOMカーが。
これは...完全に集団から千切れた人扱いのやつだ。ダンシングで集団を追い車を交わしてなんとか復帰。
でもこんなゴタゴタをしているうちに3人の逃げができていたみたい。まぁハンさんもRoppongiメンバーもメインにいるしまだ大丈夫だろう。
そして登りを終えて補給ポイントへ。ここでも想定外の事態が。
100kmと210kmの選手が混走して補給所が大混雑。というかペースが違い過ぎて受け取りに行けない。
結局ボトルは受け取れず1本のまま次の補給ポイントまで行くことになった。この日が晴れて暑かったら致命的なミスだったと思う。
補給ポイントを過ぎて長い下りへ。左側はずっと100kmと210kmの千切れた選手がいてラインが狭い。
コーナーで突っ込みすぎてリアが盛大に滑る人や結構危ない接触の仕方をする人もいて見ていてヒヤヒヤした。
下りきって学校坂に入る。
まさひふさんのチームメンバーへのアシストはここまでのようで下がっていく。
そういえば前半前目で展開していた知り合いもいなくなってる。
自分も学校坂を過ぎたあたりから前でローテに入るのがきつくなってきた。前半に動き過ぎたかも。
まだ3人逃げとの差は30秒以上あるけど一旦集団後方に下がる。
この時点でメイン集団は30人いなかったかな?去年より人数が少ない。
ゼリーとジェルをちょくちょく取りながら走ると回復してきた。
慶佐次の登りだったかな、その辺りでやっと逃げに追いつく。
あ、逃げてたのSBCの山本さんだったのか、とやっとここにきて初めて気づく。2回目のKOMも取って50km逃げていたらしい。すごい。
けど、この登りでメイン集団がペースアップし流石につけなかったみたいで、逃げメンバーはそのまますぐにパス。
その後も何度かペースアップがあり、気が付くと先頭集団は10数人ほど。
これくらいになると大分走りやすい。2回目の補給ポイントは難なく2本ボトルをゲットできた。1本手持ちが残ったままだったので、3本目はサドル後ろに取り付けたボトルケージに差す。
マングローブが見える海岸線に出てきたところで、一番後ろまで下がってメンバーを確認しておく。
なんか有力所は後ろに固まってるなーと考えてたら、ナチュラルに前8人と後ろ5人の集団に分かれてしまう。前集団がこのスキにペースをアップ。
後ろのメンバーの方に気を取られてしまい、完全に失敗した。5人でローテを回して前を追うも一向に差が縮まらない。
そのまま羽地の登りに。COMカーから前との差が20秒と告げられる。
やばい、前がさらにペースアップしたら完全に終わる。というかここまでの展開で流石に疲れも出てきたのに。
とにかく登ることだけに集中して踏む。内転筋が攣りそう。
誤魔化しながらなんとかトンネル過ぎた次の登りで集団に復帰できた。前集団はペースアップもアタックもなかったみたいで助かった。
追いついたら精神的にちょっとだけ余裕ができたので次の短い登りで様子見アタック。
誰か付いてこないか後ろを見るとハンさんが付いてきてくれた。が、さらに次の登りでペースダウン。
またアタックすると潰れるかもしれないので、このペースダウンに合わせていたら、カウンター気味に2人逃げが決まってしまう。これが羽地最後の登りだった。
下りきって広い国道に出る。逃げとのタイム差は15秒ほど。こっちは9人で残り10kmある。普通に考えれば追いつく、けど積極的に引く選手はいない。
攣りそうな選手や牽制状態の選手と9人様々な状態。イオン坂は下から登り切っても誰も前出てくれないし。
それでもハンさんの下りや他の選手の声掛けで残り1kmでやっと逃げを捕まえることができた。
ゴールスプリントに備える。
誰をマークするか、知っているメンバーで一番強い人。ハンさんしかいない。
最後の平坦は序盤脚が攣ったって言ってたけど、復活してそうな雰囲気。
300m前だったかな、案の定スプリント体制に。
張り付いて加速していく。ギアはアウタートップに入っている。
そのまま先頭に。出られない。横でペダリストの西山さんが粘っている。
もうゴールラインは目の前だ。
ハンドルを投げ。
投げ、られない。
サドルの後ろにボトルがある。全く腰を引くことができない。
60km/h近く出ていたスプリント。
最後は0.03秒差だったけど、走っている本人にははっきり分かった。届いていないことに。
ゴールラインを過ぎて脚を止めるとすぐに攣った。最後まで出し切ったのかな。
アドレナリンが出ているせいなのかゴール後は悔しい気持ちが一番強かった。
でも興奮が収まるとほぼ毎日練習してきたことを思い出し、涙ぐんでしまった。
それが悔しいからなのか、練習した成果が最後の最後で表彰台までこれたことで安心したからなのか、よく分からない。
でも最後まで諦めないで本当によかった。練習もレースも。
来年は210kmに初挑戦するか140kmリベンジするか、まだ決めていない。
でも1位と3位の選手は二人ともまた140kmで走ると聞いている。
どちらにしろまた来年も沖縄にくるのだからまた練習しよう。
来年はもっと強くなっていたいな。